洗足流れ(千束流れ)は,全長1.5粁程の水路で,洗足池を始点として東雪谷と上池台の境界に沿って流れ,仲池上で呑川と合流します。かつては洗足用水,池上用水とも呼ばれ,池上村(*1)を中心に農業用水として利用されていました。
しかし,昭和30年代から40年代になると宅地化が進むにつれ,洗足池や流れの水質が悪化しました。現在の洗足流れは,かつての農業用水を整備・復元されたものです。一時は悪臭を放つドブ川と化した洗足流れですが,地元住民の要望や尽力で自然に近いせせらぎがよみがえり,鯉や小魚,カワニナやホタルなどが生息,カルガモやカワセミなどの姿も見られるようになりました。
他の流れのように暗渠化も検討された洗足流れですが,今日では水路沿いには遊歩道が整備され,街路樹として桜やツツジが植えられています。花見の時期には多くの人が散策に訪れ,住民の憩いの場として親しまれています。
- (*1) 概ね,現在の上池台,仲池上一帯。池上本門寺付近は下池上村といい独立した一村。下池上村と区別するため,上池上村とも呼ばれていました。