鳳凰閣(旧清明文庫)

国登録文化財。洗足池の東岸付近に位置しています。最寄駅は東急池上線洗足池駅(徒歩約5分)。改札を出て,中原街道沿いを右手(五反田方面)へ。ひとつめの信号で中原街道を渡り御松庵の参道を入り,大田区立大森第六中学校(勝海舟の別邸跡地)の脇に沿って進みます。鳳凰閣(旧清明文庫)は,財団法人清明会が文庫兼講堂として建てたもので,昭和初期の会館建築(正面玄関から立ち上がる4本のネオゴシックスタイルの柱型や,アール・デコ調の建具が特徴)としてとても貴重な建造物です。

  • 所在地 大田区南千束二丁目3番1号
  • 建 築 昭和2年(1927)着工,昭和3年(1928)落成
  • 設計者 不明
  • 施 工 不明
  • 構 造 鉄筋コンクリート造(一部煉瓦造内壁による二重壁)
  • 規 模 敷地面積1039平米,建築面積233平米,延床面積518平米
        地上二階建:南側講堂棟,一部3階建:北側書庫棟,塔屋付

※ 平成27年3月現在,この史跡は外観のみの公開となっています。


鳳凰閣(旧清明文庫)とは

「清明文庫」は,財団法人清明会によって建設された文化施設です。清明会設立趣旨のもと,国民精神を育てるための図書の収集及び閲覧,講堂での講義開催を目的とされてきました。その後,所有者が変わり「鳳凰閣」と改称され,平成12年(2000年)に国登録文化財(建造物)に登録されました。

鳳凰閣の沿革

大正13年(1924)財団法人清明会により土地の取得,設計計画が発表される
(不明)木造・一部鉄筋コンクリートから全館鉄筋コンクリート造に設計変更される
昭和2年(1927)建設工事が着工される
昭和3年(1928)工事落成
昭和5年(1930)東京で2番目の風致地区として洗足風致地区が指定される(特徴の一つとして清明文庫を挙げる)
昭和8年(1933)清明文庫が開館される
昭和10年(1935)財団法人清明会が終結する
昭和29年(1954)株式会社学習研究社の所有となる(洗足別館として編集業務を行う)
昭和51年(1976)教師養成センター(株式会社学習研究社の教育研究機関)の使用にともない名称が「鳳凰閣」となる
昭和54年(1979)教師養成センターが「日本モンテッソーリ教育綜合研究所」に改名し,附属「子どもの家」が開設される
平成12年(2000)国登録文化財(建造物)に登録される
平成16年(2004)1階西側のサッシを改修する
平成18年(2006)外壁を改修する
平成18年(2006)外壁を改修する
平成21年(2009)「子どもの家」が大田区千鳥に移転する
南階段室内壁の改修及びカーペットが設置される
平成23年(2011)株式会社学研ココファンホールディングスの所有となる
附属建物が撤去される
平成24年(2012)土地が大田区土地開発公社の所有となる
平成26年(2014)鳳凰閣の詳細調査が開始される
内部後設間仕切壁及び天井等を撤去する
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