本日(平成27年2月28日),中央リニア新幹線建設にともなう東雪谷東中自治会向けの事業説明会が開催されました。東海旅客鉄道株式会社様(以下,JR東海)による中央新幹線の事業説明が40分ほど,質疑応答が40から50分,合計で1時間30分,混乱もなく無事に終了いたしました。しかし,一番関心の強い洗足池駅付近(東雪谷付近)の非常口の工事については,現在のところ構造物の設計も施工業者も決定していないため,具体的な回答はできないとしていました。
以下に,説明会の内容を簡単にまとめました。なお,会場内での写真撮影,ビデオ撮影は禁止されていたため,スライド(プレゼンテーション用のスクリーン)の撮影はできませんでした。
目次
トンネル掘削工事について
- 都市部ではその殆どを,通常利用することない大深度地下にトンネルを建設する。
- トンネル掘削工事は,都市部の工事で実績のあるシールド工法を採用する。
- シールド工法を採用するため,地盤沈下の恐れはない。また,地下水の影響も殆どない。
- トンネル掘削工事の騒音や振動は地下の深い部分で行うため,地上部では影響が出ないと予想される。
- 東京区部におけるトンネルの掘削は北品川付近の非常口から行い,品川駅方面と多摩川方面の二手に分かれて工事を進める。
- トンネルの掘削用の建設機械は北品川付近の非常口から搬入する。
- トンネルの掘削に伴なう土砂は北品川付近の非常口から排出する。
- 東雪谷付近の非常口からはトンネル掘削に伴なう土砂の排出は行わない(非常口掘削工事に伴なう土砂のみ排出)。
- 大田区内のルートは,(品川区)→上池台→東雪谷→石川町→(世田谷区)→田園調布→(川崎市)を計画している。
- 東雪谷付近のトンネルの深さは,地下70メートルを計画している。
東雪谷付近(非常口)の工事について
- 「東雪谷住宅」(東京都の職員住宅)を解体し,その跡地に非常口を建設する。
- 「東雪谷住宅」の用地取得については現在交渉中(遅くても平成29年度後半には解体工事を開始したい)。
- 洗足池公園と非常口は中原街道を挟み,距離が離れていることから,自然界への影響は殆どないと考えている。
- 三次元浸透流解析の予測による地下水の水位の変化は,非常口のごく近傍にとどまる。
- 非常口建設に伴なう工事車両は,中原街道を東側(環七)方面から入り,西側(環八)方面に出て行く。
- 非常口建設に伴なう工事車両はピーク時で320台/日(現在,中原街道の交通量が46,540台/日のため,0.7%交通量が増える見込み→影響はないと考えている)。
- 非常口建設に伴なう工事車両は,雪谷の尾根道(バス道り)を通行する計画はない。
- 非常口建設工事は原則として日中に行う(トンネル工事は夜間に行う可能性はある)。
- 非常口建設に携わる工事関係者は多い日で40名前後を想定している。
- 非常口建設に携わる工事関係者は通勤で現場に入ることを想定している(現場付近に飯場を併設する予定はない)。
- 非常口には2基のエレベータを設置(1基は避難用で1度に40人が乗れる,もう1基は消防用)。
- 平成27年から周辺の井戸調査を開始する。
- 平成30年から非常口工事を開始する。
- 工事開始前に,工事説明会を実施する。
- 地元向けの非常口見学会は,セキュリティの観点から開催することは難しい(要望があるということは会社に伝える)。
列車の運行について
- 磁界
- 列車の停車時の周波数は0Hzである(N極とS極は入れ替わらない)。
- 列車が時速500km/hで走行した場合の周波数はおよそ6Hzである(1秒間に6回N極とS極が入れ替わる)。
- 山梨リニア実験線における磁界の測定結果は,線路脇4メートルで0.19mT,高架下8メートルで0.02mTである。
- 山梨リニア実験線における実測データから,国の基準として採用しているICNIRPガイドラインを大きく下回っている。
- トンネル内を列車が走行する場合,地表と超伝導磁石の距離が離れているため,地上への影響はない。
- 騒音と振動
- 換気口には開閉設備を設け,車両通過時には換気口を閉じることで衝撃波(風圧)を抑える。
- 換気口には更に多孔板(微気圧波対応設備),消音設備を設ける。
- 大深度地下区間において,列車がトンネル内を走行する際に発生する騒音・振動は地上への影響はない。
以上
本稿の文責は,筆者である川口真人にあります。本稿はJR東海様および東雪谷東中自治会の公式な議事録ではありません。 本稿は平成27年2月28日に東雪谷会館で開催された東雪谷東中自治会向けの中央新幹線事業説明会をまとめたもので,記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。予めご了承ください。